保健指導とは?|基本の考え方と企業の取り組み例

保健指導の内容は、企業によってさまざまだと思います。ここでは、その基本的な考え方について整理してみました。


保健指導とは

保健指導とは、個人または集団を対象に、健康の維持・増進を目的として行われる教育や指導のことをいいます
具体的には、

  • 健康診断の結果に基づく生活習慣の改善指導
  • メンタルヘルス対策
  • 感染症予防

などが含まれます。
保健指導は、健康リスクを低減し、職場全体の健康レベルを底上げしていくために、大切な活動のひとつです。

法律上の位置づけ

労働安全衛生法(第66条の7)には、保健指導の実施について、次のように記載されています。

事業者は、健康診断(または法令に定める各種健康診断)の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対し、医師または保健師による保健指導を行うように努めなければならない。 2 労働者は、通知された健康診断の結果および前項の保健指導を利用して、その健康の保持に努めるものとする。

法律上、保健指導の実施は「努力義務」とされているため、実施するかどうか、どのように実施するかは、企業によって異なっているのが実情です。


特定保健指導との違い

保健指導と特定保健指導は、よく似た言葉ですが、対象や内容には違いがあります。

特定保健指導

特定健康診査(いわゆる「メタボ健診」)の結果に基づき、メタボリックシンドローム予備群やリスクの高い方を対象に行われます。健康増進法に基づいて実施されるものです。

一般的な保健指導

年齢や職種を問わず、幅広い健康課題に対応するのが特徴です。企業の方針や従業員のニーズに応じて、柔軟に行われます。


保健指導を行うときのポイント

1. 対象者のニーズを把握する

一人ひとりの健康状態や生活習慣はさまざまなので、指導内容も一律ではなく、個別のニーズに寄り添っていく必要があります。そのためにも、対象者のニーズを丁寧に把握することが大切です。

2. 継続的なフォローアップ

一度の指導で、生活習慣が劇的に変わることは、正直なところ稀です。アンケートや健康診断結果などをもとに定期的にフォローし、改善状況を確認しながら、必要に応じて指導を重ねていくことが大切です。

3. 信頼関係の構築

保健指導は、従業員との信頼関係があってこそ、成り立つものだと感じています。信頼関係を築くことで、従業員も指導を受け入れやすくなり、実際の行動にもつながりやすくなります。


企業の取り組み例

大手製造業A社の場合

従業員の健康管理を経営戦略の一環として位置づけ、専門の保健師を配置。年次健康診断に基づく個別指導や、メンタルヘルスケアプログラムを実施しています。また、社内にフィットネス施設を設置し、運動習慣づくりにも力を入れています。

IT企業B社の場合

在宅勤務が多いことから、オンラインでの健康指導を積極的に取り入れています。ウェブセミナーやオンラインカウンセリングを通じてサポートするほか、デジタルヘルスツールで日々の健康状態をモニタリングし、個別にフィードバックを行っています。

中小企業C社の場合

従業員数が少ないため、外部の保健指導サービスを活用。定期的に専門家を招いて健康セミナーを開催したり、地域の健康イベントに参加したりすることで、従業員の健康意識を高める工夫をしています。


まとめ

保健指導は、従業員の健康維持・増進に欠かせない活動であり、企業の健康経営を支える大切な要素のひとつです。

特定保健指導とは違い、幅広い健康課題に対応しながら、一人ひとりのニーズに応じた柔軟な対応が求められます。企業によって取り組み方はさまざまですが、それぞれの企業文化や従業員構成に合った形が模索されているのだと思います。

これからも、継続的なフォローアップと信頼関係づくりを大切にしながら、効果的な保健指導につなげていけたらいいですね。