産業保健師が入社後にまずすべきこと|「自社を知る」ことから始める基本の「き」

「産業保健師として入社したら、まず何から始めればいいの?」そう感じる方は少なくありません。また、入社したらすぐに健康管理業務に取りかかりたくなるかもしれませんが、その前に大切なことがあります。それは「自社を知ること」。入社後まず押さえておきたいポイントを整理してみました。


なぜ「自社を知ること」が最初なのか

企業の実態を把握しないまま施策を進めると、方向性がズレてしまい、期待した効果が得られないことがあります。

医療職では「根拠に基づいたベストな方法」を選ぶことが基本ですが、企業の中では少し事情が違います。会社の方針や文化に合っているかどうかが、施策の成否を大きく左右するのです。

まずは土台となる情報を集めることから始めましょう。


基本情報を確認しよう

企業のホームページや社内資料から確認できる内容です。入社前に調べられるものも多いので、事前の情報収集もおすすめです。

  • 社名(正式名称と略称)
    ⇒略称を知り、使うことで自分も会社の一員になれた気がします!
  • 業種(製造業・サービス業・IT・運送業など)
    ⇒業種を知ることで、どんな働き方があるかを想像できる!
  • 業界内での立ち位置(国内シェアNo.1、県内唯一、東日本最大規模、など)
    ⇒それぞれがどういう気持ちやプレッシャーの中で働いているか感じれる!
  • 経営理念やパーパス(企業の価値観や方針)
    ⇒会社の考え方や方向性を知ることができる!
  • 社長の名前と経歴(経営方針への影響が大きい部分です)
    ⇒経営層とは健康経営や会議で意見を交換することもよくある!しっかり覚えておこう。

従業員と組織を把握しよう

次に見ておきたいのが、働く人や組織の全体像です。

  • 従業員数・平均年齢・男女比
    ⇒従業員の構成によって健康課題も変わってくる!
  • 本社・支社の所在地(拠点数によって業務範囲が変わります)
    ⇒どのくらいの範囲を担当するのか、また、拠点ごとに医療職がいることもある。
  • 組織図(関わることが多い部署の把握)
    ⇒これは大事!組織図は常に手元に置いてます。
  • 労働時間の形態(シフト制・フレックス・夜勤の有無など)
    ⇒勤務形態によっては健診が追加になることもある。

これらを把握しておくと、この後の業務がぐっと進めやすくなります。


企業文化を理解する

企業文化を知らないまま施策を進めると、せっかくの取り組みも効果が薄れてしまうことがあります。

例えば、こんなすれ違いが起こりがちです。

・紙文化の企業にメールで案内を送る → 読まれない
・フレックスタイム制の企業で朝活を企画する → 参加者が集まらない
・トップダウン型の企業でボトムアップの施策を提案する → 採用されにくい

一方で、企業文化に合わせて工夫すると、こんな風にうまくいきます。

・紙文化の企業では掲示物や紙の配布物を活用する
・フレックス制度の企業では昼休みの時間帯に施策を設定する
・トップダウン型の企業では経営層を巻き込んで提案する

会社の特徴を理解することは、無駄な労力を減らし、健康支援をより効果的にする近道になります。


まとめ

新しく企業に入社したら、「自社を知ること」を最優先にしてみてください。業務内容や文化、従業員の特性を理解することが、適切な健康管理の第一歩になります。

会社を知ることは、そこで働く人たちの考え方を知ることにもつながります。焦らず情報収集を重ねながら、信頼関係を築く準備を整えていきましょう。